おもろい人間であれ

先日、熊本県を訪れたときのこと。

街角でストリートライブが行われていて、その途中で歌い手が観客に向かってこう呼びかけた。

「どなたか、一緒に歌ってみませんか?」

周りの人達は恥ずかしそうに目を逸らす。きっと「自分には無理だ」「人前で歌うなんて恥ずかしい」そう思ったに違いない。

これはチャンスだ。そう思った私は手を挙げた。

大衆の前で歌うなんて文化祭のとき以来だし、あの時は同じ学校に通う見慣れた顔ぶれの前だったけど(それでも緊張した)、今回は見知らぬ土地で見知らぬ人しかいない。

手を挙げた瞬間、私は一斉に大衆の視線を浴びた。内心「いや、何しとんねん私」と一瞬、ほんの一瞬だけ後悔した。だがもう後には引けない。

緊張する足取りでステージに向かい、観客の視線を浴びながらスキマスイッチさんの「奏」を歌ってみた。(正直、歌詞あんま知らんけど。)

すると思いのほか観客の方々のノリがよく、拍手だけじゃなく歓声まで飛んできた。その勢いで調子に乗って2曲目も歌ってしまった。笑

気づけば自分が観客の一部から、ステージの中心に立つ存在へと変わっていた。

終わった後に残ったのは、恥ではなく爽快感。

お客さんも盛り上がってくれて、歌い手の方とも仲良くなり、もしかしたら今後の仕事に繋がるかもしれない。

新鮮な経験だった。あの瞬間、一步踏み出すことでしか得られない景色があるのだと改めて思った。

人から興味を持たれる人間になるには、”普通の人なら避けること”をあえて選ぶ勇気が必要だ。肩書きや実績など二の次。

結局、人を惹きつけるのは「この人、ちょっと普通じゃないな」と思わせるストーリーを持っているかどうかだと思っている。

私の周りの友だちや仕事仲間たちもみんなイイ意味で頭のネジが外れている。(これ見てたらごめんよ。笑)

人はみんな、似たような道を歩いている。

安全なルートを選んで、危険や不安を避けて、常識の範囲で生きる。そこに安心はあってもストーリーは生まれない。

だからこそ、おもろい人間、なんかよくわからんけど魅力的な人間になりたいなら、多くの人が選ぶ逆の道を行くべきだ。人が嫌がることをあえてやり、逃げたくなる状況に飛び込む。そうすれば誰も経験できない経験が積み重なり、希少な存在になれる。

おもろい人間であることは、色々とベネフィットがある。恋愛市場では興味を持たれやすくなるし、仕事でも気に入られやすい。人脈もチャンスも自然と集まってくる。

そして何より、ことSNS時代と言われる現代ではその恩恵を強く実感する。発信すれば多くの反応が返り、繋がりが広がり、物語が物語を呼ぶ。

でもそれらはあくまで副産物にすぎない。

一番の報酬は、やっぱり自分の人生そのものが楽しくなることだ。

おもろい人間であることは、モテるためでも、評価されるためでもない。退屈な人生を抜け出て、一度きりの人生を思い切り謳歌するためだ。

冒頭のエピソードはその中の一つでしかない。常日頃から「逆張り」を意識していると、日常が非日常になり、人生に彩りが増える。

たとえば今年の7月ごろ、私はビジネスの恩師からこう言われた。

「明日カナダに来い」

私は山形の田舎の宿で夜風に吹かれ、セミの鳴き声を聴きながらこのLINEを受け取った。「なんだこの唐突な無茶振りは…」と。

ほとんどの人は断るだろう。あまりに急すぎる。正直、私も悩んだ。

でも多くの人が避ける状況だからこそ「行く」と決断すれば、普通の人が得られないチャンスを掴むことができる。そう思って私は行くことにした。

ちなみにその時のLINEがこちら↓
(最後はしっかりお叱りを受けてます…)

そして久しぶりにこいつと再会。

以前カナダに短期留学したことがあるんだけど、あの頃はまだ20歳そこそこで、初めて訪れる異国の地に不安を覚えながらもワクワクしていた。

特に準備もせず、親や友達にも一切なにも言わず、スマホと財布、パスポートだけ持ち、身一つで日本を発ってカナダにやってきた。

当時の自分を思い出し、なんだか懐かしい気持ちになった。

私の逆張りエピソードは他にもある。

以前とある国の超絶治安の悪いエリアに足を運んだことがある。現地の人でさえ「危ないからやめておけ」と言うほどの場所だ。

でも、あえて飛び込んだからこそ見えた現実があった。恐怖の先にしか得られない学びや視点は机の上じゃ絶対に手に入らない。(このエピソードもいつかブログで取り上げたい)

さらに直近の出来事で言うと、自分の成長のために5000万円の投資をしたことだ。

「自己投資」というからには、そう遠くない未来に回収できる見込みがあると踏んでの投資だ。というより、絶対に回収しなければならない。(回収できる自信がないなら最初からやめておきなさい。)

私は5年以内に仲間達とともに年商100億の経済圏をつくる。そのために、まずは自分の力のみで1年以内に3億稼ぐ。この5000万円は自分を飛躍させるための投資だ。

3億稼ぐために5000万投資する。そんな発想は多くの人には狂気に見えるだろう。でも、常識を突き破る挑戦をしなければ、常識を超えた結果なんて絶対に生まれない。

挑戦は大きなものである必要はない。日常な些細な出来事も「挑戦」だ。

私のように、普段から思いつきに従って生きてる人間は「その瞬間の気持ち」を大事にして生きている。

「今、あの人に会いたい!」と思えば、飛行機が必要な距離でもすぐに会いに行く。旅行誌を見ていて「ここ行きたい!」と思えば、その日のうちに現地に向かう。SNSで気になるご当地グルメの情報が流れてきたら、もちろんすぐに飛ぶ。

多くの人は、何かやりたいことがあっても”現実的じゃない”と判断して、自分の気持を押し殺してしまう。私はそんな不自由な人生には堪えられない。心の衝動を閉じ込めるより、その瞬間に正直でいたい。

好きな時に好きな人と会い、好きな時に仕事をし、好きな時に美味しいものを食べ、好きな時に寝て、好きな時に旅行に出掛ける。

もちろん、なんでもかんでも欲のままに行動しろとは言わない。もし本当になんでもかんでも欲のままに行動していたら、たぶん私は今ごろ檻の中にいる。

あくまで自分の心の声に耳を澄ませて建設的に行動するという意味だ。法を犯したり、人を傷つける衝動じゃなくて、人生を面白くする衝動に従う。それが私のスタンスだ。

そうやって生きていたら必然的に稀有な存在になり、周囲から一目おかれるようになる。

おもろい人間っていうのは、生まれつき特別な人間じゃない。人がやらない選択をする勇気を持った人間だ。

そしてその勇気は恐怖に飛び込むときだけじゃなく、日常の小さな衝動に素直でいることから生まれる。

安全や常識の中にとどまれば波風は立たないかもしれない。けれど、波風の立たない航海に面白い冒険譚は生まれない。

稀有な存在になり、自分の価値を高めたいなら”やらない理由”を探すのをやめて、”やってみる理由”を選ぶ強さを持ってほしい。

どうせ一度きりの人生。

安全圏に閉じこもって退屈に過ごすよりも、挑戦して笑い話を増やしたほうがよっぽど豊かだと私は思う。

おもろい人間であること。それはつまり人生を思い切り謳歌することに他ならない。

あなたも悔いのない人生を!