ラーメンが運んできた「ご縁」

最近(と言ってももう数週間前だけど)、仕事仲間と何気なく通話していたときのこと。話の流れでふと「博多ラーメン食べたいな」と思った。

この一瞬の気持ちが、思いがけない出来事の始まりだった。

普段から発信を見てくれている読者さんならもうおわかりだと思うが、大方の予想通り。私はその気持ちが冷めぬ前に、翌日さっそく飛行機を取って福岡に向かった。

旅の目的はただラーメンを食べること。それ以上でもそれ以下でもない。

私はいつものようにSNSにこんな投稿をした。

すると、この投稿を見た友人から「明日セミナーがあるんだけど、登壇予定者が来れなくなったから代わりにお願いできないか?」と連絡が来た。

まるでタイミングを見計らったような突然の依頼だったけど、私はすぐに了承した。

もちろん事前準備なんてしてないし資料も何もない。でも「これも何かの縁だろう」と直感的にそう感じた。

そして迎えたセミナー当日。

会場に入ると、私の登壇を知らない受講者たちが驚いた表情を浮かべた。

うん、それはそう。だって私もまさかラーメン食べに来ただけでこんなことになるなんて思ってなかったもん。

そんな状況の中で、少し笑いながらマイクを握った。

特に話す内容は決めてなかったけど、セミナーのテーマが「ファン化と仕組み化」みたいなものだったから、いつもSNSでは話さないリアルなビジネスの裏側について話をさせてもらった。

今となってはありがたいことに多くの方から見ていただける立場ではあるけど、やはり”画面の中”では話せないことも多い。

言葉の切り取り方ひとつで誤解を生むこともあって、時には「ちょっと言い過ぎでは?」と各所からお叱りを受けることもある。

でも、リアルの場は違う。相手の表情が見えて、空気を共有することができる。

だからこそ、この日はいつもは話せない”生の部分”を包み隠さず話すことができた。

(このカジュアルな格好からもわかるように、本当に事前準備なしの登壇だった)

綺麗事では語れないビジネスの裏側の話。会場のみんなが真剣な眼差しで聴いてくれているのを見て、「この場だからこそ話せることがあるんだな」と改めて感じた。

(極秘セミナーということもあり、受講者がそんなに多くなかったからというのもあるけど)

セミナーが終わった後、受講者の方々からたくさんの感想をいただいた。

「SNSで見ていた方の生の声を聴けて感動しました」「ビジネスの話なのに人の温かさを感じました」「今日の話をキッカケに行動を変えてみようと思います」

そんな言葉が次々と届いて胸がいっぱいになった。

ただラーメンを食べに来ただけの福岡で、こんなにも濃い時間を過ごせるなんて…人生は本当に何があるかわからない。

懇親会を終えてホテルに戻ると、友人がこんな投稿をしてくれていた。

友人が私を紹介する投稿をしてくれたことで、受講生の方々もそれぞれがメンションをつけて感想を発信してくれた。

その連鎖のおかげで、フォロワーが1日で130人ほど増え、新しいお仕事の相談もいくつか届いた。

不思議なものだ。

私はただ「友人の力になりたい」と思って引き受けただけ。報酬も求めてなかったし、見返りなんて考えてもいなかった。(「通りもん」はせがんだけど笑)

でも、結果的にたくさんの人とのご縁をいただけた。

リストの数も50人ほど増え、1リスト1万円の価値があると言われている今の時代で言うと、1日(それもたった1時間ほどの講演)で私は50万円稼いだことになる。

ビジネスの世界ではよく「GIVE&TAKE」なんて言われるけど、まさにそれを体感した。

この言葉の本質は、ギブとテイクの順番にあるのではなく”姿勢”にあるということ。

多くの人は「人に何か与えたらいつか返ってくる」と考えると思う。

でも実際には返ってくるかどうかなんて誰にもわからない。なんなら裏切られることだって多々ある。(私もたくさん経験してきた)

だから私は「返ってこなくていい」つもりで生きている。ビジネス初心者がよく使う「返報性の法則」とかどうでもいい。いちいち意識したくもない。

もちろん、自分が何かしてもらったらそのご恩は必ずお返ししたいと思うけど、見返りを求めた打算的なギブは、もらう側としても気持ちのいいものではない。

考えてみれば、ビジネスも人間関係も信頼の貯金みたいなものだ。純粋なギブは必ずどこかで報われるようになっている。

誰かのために心を動かす時、その波は静かに自分のもとへ返ってくる。それは偶然のようでいて、きっと必然なんだろうなぁと思う。

今回もただラーメンを食べに行っただけの旅が、思いがけないチャンスを連れてきてくれた。

やっぱり人生って計画の外側にこそ面白いことがある。

だからこれからも心が動いたときには迷わず動こうと思う。

 

「ありがとう、福岡!―ばいちゃ👋」